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野球小説「テスト生」

2009年02月20日 20:47

高橋三千綱
テスト生 (『カムバック』収録pp.29-58)
新潮文庫、1988年

 物語の展開は高校野球~プロ野球まで。
最初の舞台は西南大付属西南第一高校。

 三条豊 … 主人公。
 稲田芳夫 … 西南高野球部監督の息子。実力でレギュラーに。
 田代佑子 … 豊の妹の友人。豊は好意を持っている。

 類まれなスピードボールを持つ
しかし彼の弱点は精神面の弱さだった。
 非情な名将、稲田監督の指揮によって、西南高校は甲子園の常連に。
 その強豪校の中にあっては、監督の使い捨てにされてしまう。

 西南大学に進学したは野球をあきらめなかった。
そんな彼の前に、彼の同級生で、息子である芳夫を追いかけるように
西南大学野球部の顧問となった稲田監督が現れる。

ネタばれポリシー
ただ稲田芳夫だけは、
スコアボードに書かれた三条の名を、
唖然として眺めていた。


【読んだフリ! ストーリー斜め読み】

1. チャンスを棒に振る豊
 高校一年の秋。
 新人戦県大会で一年ながらマウンドを踏んだ
しかし結果を残すことはできませんでした。
 その後も何度か登板機会に恵まれるのですが、
は実力を発揮できず、代わりに同級生の熊谷が注目されてしまいます。

 豊も本来は、入学金・授業料免除、奨学金月3万円の特待生でした。
能力はかなり高く書かれています。精神面の弱さも。


2. 田代佑子との出会い
 甲子園では荷物運びでしかなかった
 チームも準決勝で敗れ、帰路につくことになった彼の前に、
妹の友人、田代佑子が現れます。

3. 壊された豊
 試合で使い物にならないは、いつしかバッティング投手に。
 県下でも並ぶ者のいないの速球は練習台として最高でした。
 あるとき、肩に異常を覚えた彼は、監督にそれを報告します。
しかし稲田監督が気にするのは息子の成長だけ。
には早く投げろ、と怒鳴るだけでした。
 そしてとうとう、は肩を壊してしまうのです。

 ここで豊の高校野球は終わり。
 それにしても稲田監督の異常な冷酷さ。


4. 大学野球
 半年間、休んだ事によっての肩は回復していました。
もう稲田監督もいない、もう一度野球をやってみよう。
そう決意したの前には、大学野球部の顧問になった稲田(父)が。
 しかし反発心から、入部します。

5. 稲田の身代わりに
 ある日、大学野球部の寮に佑子が現れる。
を訪ねた様子だったが、不在のため稲田に送られて帰宅。
 二ヶ月後、妹から佑子の妊娠が伝えられる。
 さらに数日後、今度は部のマネージャーから呼び出されたは、
佑子を妊娠させたのは稲田であることを伝え、
稲田の身代わりに佑子を妊娠させた相手になれと強要されます。

 時代でしょうか。
それとも、今も問題になるんでしょうか。
たぶんできちゃった婚も非難されるような時代でしたから(1988年)、
仮に今、斎藤佑樹さんがこんなことしてもおめでとう、で済むのでは?


6. 自動車会社に就職、社会人野球
 大学在学中に父が無くなったことで、生計を立てるために自主退学。
自動車会社のセールスマンとなった
 その会社の野球部には、知る人ぞ知る名将がいました。
彼の慧眼でサイドスロー(横投げ)に変えたは、大きく開花します。

7. テスト生からホエールズの若きエースへ
 ホエールズの入団テストを受け、合格します。
 このころのは、シンカーのような魔球を手に入れていました。
その決め球も彼を助け、一軍昇格、そして対ジャイアンツ戦、
三条豊の名がスコアボードに。
 そのころジャイアンツのスター選手のひとりに、
一番ショート稲田も数えられていたのです。

 佑子に対してアプローチを続けていたは、
彼女を運命の登板日に招待します。

 稲田を必ず抑えると約束するでしたが、
その時、自分の無神経な一言が佑子を傷つけることに気づきます。
 そこで改めてジャイアンツ打線の完封を約束したは、
見事その約束を果たすのです。

【感想】

 本作の恋愛面は『フォレストガンプ』を思い出させます。
まっすぐなは、まっすぐ佑子を愛し、
妊娠騒動の時も稲田佑子をレイプしたのだと考えます。
 かたや佑子は稲田を誘い(と彼女自身は言います)、
それとは別の結婚話も浮かんでいました。
結局、稲田の一件を相手が知るところになったのですが。

 は自分から遠ざかろうとする佑子
それでも諦めませんでした。

 物語の最後で、佑子が大学時代、
を訪ねたときに渡そうと思っていた
ペンダントを渡したことがほのめかされます。

 恋愛ものとして読むといいかもしれません。

 ところで、作中でが投げる魔球は、
シンカーではないかなと思います。
 曲がって落ちるし、自身は「シュートです」と言い張ってますし。


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